カンボジアと聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
アンコールワット、クメール料理、東南アジアの暑い気候、少し前の内戦の歴史……。
実際にカンボジアを訪れた人からは「明るくて活気がある」「人がとてもやさしい」「子どもたちが元気いっぱいだった」など、ポジティブな感想が多く聞かれます。
この記事では、そんなカンボジアをもっと身近に感じてもらうために、基本情報をわかりやすく整理してご紹介します。
初めてのカンボジア入門として、ぜひご一読ください。
🇰🇭 国土と地理

カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)は、東南アジアのインドシナ半島に位置します。
北にラオス、東にベトナム、西にタイと国境を接し、南はタイランド湾に面しています。

国土面積は約181,000平方キロメートルで、日本の本州とほぼ同じくらいの広さです。
国土の中心には、東南アジア最大の湖である「トンレサップ湖」が広がり、その周辺には肥沃な平野が広がっています。

首都はプノンペン(Phnom Penh)。政治・経済・文化の中心地として発展しています。
主要都市には、アンコール遺跡の玄関口となるシェムリアップや、海に面した港町シアヌークビル、のどかな田園風景が残るカンポット州などがあります。
👨👩👧👦 人口と社会構造

2024年時点の推計で、カンボジアの総人口は約1,680万人。
これは日本の関西圏(大阪府+兵庫県+京都府)に近い規模です。
注目すべきは、平均年齢が約27歳と非常に若いこと。
人口の約4割が15歳未満とも言われ、文字通り「子どもと若者の国」と言えるでしょう。
都市部では急速な経済成長により高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶ一方、農村部では伝統的な高床式の家に住み、農業や漁業を営む暮らしがいまも根強く残っています。
プノンペンにはイオンモールが3店舗もあり、2022年にオープンした3号店はASEAN最大級の規模を誇ります。
貧困層の多さ、教育や医療インフラの未整備といった社会課題は、都市と地方では大きく様子が異なります。

🛕 宗教と信仰

カンボジアの国民の90%以上が仏教徒であり、特に「上座部仏教(テーラワーダ仏教)」が信仰されています。
日常生活の中には、お寺の存在が深く根づいています。朝には托鉢をする僧侶に食べ物を捧げる姿が見られ、お寺は単なる宗教施設ではなく、地域の教育や相談の場としても機能しています。

また、仏教以外にもヒンドゥー教やアニミズム(自然崇拝)などが融合しており、祖先や自然を敬う精神文化が人々の価値観に色濃く影響を与えています。
有名なアンコールワットは、12世紀前半にヒンドゥー教の寺院として建築されました。
葬儀や祝祭、結婚式にも仏教的な儀式が欠かせず、信仰は日々の暮らしのリズムそのものと言ってよいでしょう。
✍️ 言語と文字
公用語は「クメール語(Khmer)」です。 アルファベットでも漢字でもない独自の文字体系をもち、東南アジアの中でも特に複雑な部類に入るといわれています。

文法は比較的シンプルですが、日本語にはない発音もあるため難しく感じることもあります。
歴史的背景から、タイ語とクメール語には共通している単語が多くあります。
現地の人は、タイ語のドラマなどを見るとなんとなく内容がわかると言います。
なお、都市部や観光地では英語が通じる場面も増えてきており、若い世代の一部は英語教育を受けています。
しかし、農村部ではクメール語しか話せない人も多く、言葉の壁はまだまだ高いといえるでしょう。
🍲 暮らしと文化
カンボジアの人々の暮らしは、シンプルで質素ながらも温かみに満ちています。
伝統料理には、ココナッツミルクを使ったカレー「アモック」、牛肉をオイスターソースと胡椒で炒めた「ロックラック」、餅米で作ったドーナツ「ノムコーン」などがあり、米は主食として1日3食登場します。
Cambodia+が運営しているYoutubeチャンネル「Ari’s Kitchen」では、カンボジア伝統料理の作り方を紹介しています。
ぜひカンボジア料理にチャレンジしてみてください。
市場では朝早くから活気があり、魚や野菜、衣料品などがずらりと並びます。
また、屋台文化も盛んで、1ドル前後で美味しい食事がとれるのも魅力です。

家族の絆も強く、何世代もが同居する大家族が一般的。子どもたちは祖父母や親せきに囲まれて育ちます。
お正月(カンボジア正月は4月)や水祭り(11月)は特に大切な行事で、家族や地域での団結が深まる期間です。
🌿 自然と気候
カンボジアは熱帯モンスーン気候に属し、「乾季(11〜4月)」と「雨季(5〜10月)」の2つの季節があります。
乾季は観光にも適しており、気温は高め(30度前後)でも湿度が低く快適です。
雨季は激しいスコールが降ることもありますが、日本の梅雨のように一日中降り続けることはなく、ザッと降ってパッと晴れることが多いので十分観光できます。
南部の沿岸部には美しい海とビーチがあり、観光資源としてのポテンシャルも高い地域です。

また、カンボジアには絶滅危惧種の野生動物や、希少なマングローブ林など、貴重な生態系も存在しており、自然保護への意識が少しずつ高まりつつあります。

これからのカンボジアを知る
カンボジアは、内戦という過酷な時代を乗り越え、急速な発展と変化の中にあります。
その一方で、教育や医療、環境といった分野にはまだ多くの課題が残されており、国際的な支援と地域の力を組み合わせながら、持続可能な社会を築こうとしています。
私たちCambodia+もその一員として、「教育格差の解消」や「環境保護」の活動に取り組み、よりよい未来づくりに貢献したいと考えています。
カンボジアを知ることは、遠い国を理解することではなく、世界をより広く、深く見るための第一歩です。
これからも、カンボジアの多様な魅力と課題を、丁寧に伝えていきます!
